圧迫骨折後の運動計画!”理学療法士兼パーソナルトレーナーが教える回復のポイント”
皆さん圧迫骨折についてご存知ですか?
圧迫骨折は、特に高齢者の間で見られる一般的な骨折で、主に脊椎の骨が圧力によって崩れることで発生します。加齢に伴い、骨密度が減少し、骨がもろくなるため、転倒や日常生活の中でのささいな衝撃でも圧迫骨折を引き起こすリスクが高まります。このような骨折は、痛みや身体活動の制限をもたらし、日々の生活に大きな影響を与えることがあります。
多くの方が圧迫骨折後に抱える一番の不安は、「これからどのような運動を行えば良いのか?」という点です。適切な運動は回復過程をサポートし、再発防止にもつながりますが、何をしていいか分からず、動き方一つ取っても不安に感じる方が少なくありません!
この記事では、圧迫骨折後のリハビリテーションに向けての知識やパーソナルトレーニングの有用性を中心に解説していきたいと思います!
圧迫骨折について理解を深めよう!
圧迫骨折後、再発する不安が強く運動機会の減少、生活の活動量が減少し、より骨が脆くなる体力が低下するスパイラルに陥ります。そのため、圧迫骨折について正しい知識とそのメカニズムについてすることが必要でしょう。
圧迫骨折は、主に私たちの背骨(脊椎)に起こる一種の骨折で、脊椎の骨(椎骨)が何らかの圧力によって押しつぶされる、または崩れることで発生します。このメカニズムを理解するには、まず脊椎が日常的にどのような役割を果たしているか、そしてどうして圧迫骨折が起こりやすいのかを把握する必要があります。
脊椎の役割について
脊椎は、多数の小さな骨で構成されており、これらの骨が積み重なることで背骨を形成しています。脊椎は私たちの体を支える中心的な役割を果たし、身体を直立させたり、曲げたりする動きを可能にしています。また、脊髄を保護するケースの役割も担っています。ちなみに脊椎は頚椎7個、胸椎12個、腰椎5個で構成されています。
基本的に圧迫骨折は胸椎と腰椎で発生する骨折です。
圧迫骨折のメカニズム
圧迫骨折が起こる主な理由は、脊椎にかかる圧力が骨の耐久力を超えた時です。この圧力は、転倒による直接的な衝撃や、長時間にわたる不自然な姿勢から生じることがあります。加齢とともに、骨の密度が減少し(これを骨粗しょう症と呼びます)、骨がもろくなると、より少ない圧力で骨折が発生するリスクが高まります。
圧迫骨折の影響
圧迫骨折が起きると、椎骨はその高さが減少し、形が変わることがあります。これにより、痛み、身体のバランスの悪化、さらには脊椎の他の部分への負担増加など、様々な問題が発生する可能性があります。最も一般的な症状は、骨折した部位の局所的な痛みですが、場合によっては歩行困難や日常生活に支障をきたすこともあります。
圧迫骨折はどんな人に多い?
- 圧迫骨折は、特に50歳以上の女性に多く見られ、男性に比べて2倍以上の発生率があります。これは女性が閉経後にエストロゲン(骨密度を維持するのに役立つホルモン)のレベルが低下するためです。
- 年齢が高くなるにつれて、圧迫骨折のリスクは増加します。70歳以上では、女性の約40%、男性の約18%が骨粗しょう症による骨折を経験すると推定されています。
圧迫骨折は他の椎体への負担も大きくなる
圧迫骨折は、脊椎の骨が外部からの圧力に耐えられずに押しつぶされることで起こります。また、骨折した椎体は変形し本来の石柱を十分に支える機能が低下します。そのため、他の椎体への負担も大きくなります。それに加え、加齢による骨密度の低下がリスクを高めるため、適切な運動や栄養摂取で骨を健康に保つこと、また日常生活での姿勢に注意を払うことが予防に繋がります。
圧迫骨折後の運動習慣の重要性!
圧迫骨折後のリハビリテーションと運動習慣は回復過程において非常に重要な役割を果たします。これらは痛みの管理、身体機能の回復、再発防止、さらには全体的な生活の質の改善に寄与するため、慎重に実施される必要があります。
圧迫骨折は背骨の骨折であり筋肉の損傷等が直接生じる怪我ではありません。また、おおよそ3週間程度から骨硬化(骨が固まり始める)が始まります。骨密度や元の骨程度に戻ることを考えると4〜6ヶ月程度は回復にかかるでしょう。
※個人差があります。医師の指示や診断を詳しくお聞きしましょう。
つまり骨自体は3週間頃から徐々に回復していきますが、痛みや再骨折の不安等により活動量や運動量が減少することで二次的に筋力低下や体力低下が生じてくる疾患といえます!
そのため、意識的に元々の生活を保つこと、一定期間過ぎれば過度な安静をとらないこと、運動習慣を形成することが重要といえます。
これは危険!こんな運動は気をつけて!
圧迫骨折後には、オーダーメイドでまずコルセットが処方されているかと思います!骨折直後から数ヶ月はコルセット着用での生活が必要でしょう。
運動中も必ずコルセットを着用しながら行いましょう!
「腰を過度に逸らすような運動」、「重い負荷(重量)を使っての前屈み運動」など腰を激しく動かす、過度な負荷が掛かる運動は控えましょう!
圧迫骨折に効果的な運動
圧迫骨折後は骨折した椎体が完全に回復するまでに時間を要します。そのため、背骨の動きが大きい運動よりも姿勢を保持するような等尺性運動を行うことが好ましいでしょう。
また、鍛えるべき部位は背筋、腹筋、そして大腿部の筋肉を弱らないように筋力強化をしていくことが重要になってくるでしょう!
圧迫骨折では骨折直後の不動で低下した筋力を退院後やご自宅で徐々に取り戻していくことが必要となります。また、痛みに関しても不動状態では増強しやすく無理のない範囲で活動的な生活や有酸素運動を取り入れることが痛みの軽減にも繋がります。
体幹を鍛えるトレーニング
下記動画で分かりやすく必要な運動をまとめて解説してくれています!
体幹周りのお腹を安定させるトレーニングを中心に紹介してくれていて無理なく続けられるトレーニング内容になっています。
圧迫骨折では自宅でのトレーニングが大事
圧迫骨折は受傷から退院までが早く在院日数が短い疾患といえます!場合によっては入院せずにコルセットで自宅療養となる場合もあります。
そのため、医師の指示を守りながら徐々に元々の生活に戻していくことを心掛けましょう。3週間〜1ヶ月ほど経つと骨折初期の強烈な痛みは緩和されていきます。痛みの恐怖により過度な安静を取る方が多いですが、活動量を保つことが早期回復のポイントです!
また、6ヶ月以降も体力低下や痛みが残る方はさらなる機能低下を防ぐためにもパーソナルトレーニングなどを活用するのも有効でしょう!
医療機関でのリハビリテーションは保険サービスになり、受けられる条件があります。いつでも誰でもリハビリテーションを受けられるわけではありません。
パーソナルトレーナー選びのコツ
パーソナルトレーニングサービスは増加の一途です!
様々なトレーナーやジムがあります。それぞれトレーナーによって専門性が異なるためトレーナー選びは重要になるでしょう!
中でも圧迫骨折は他の椎体も再度骨折する可能性がある疾患です!圧迫骨折の病態に詳しいトレーナーやしっかりとリスク管理を行える技術が必要となるでしょう。
パーソナルトレーナーとして働いている理学療法士も増えてきています。パーソナルトレーニングを受ける際は体験利用やしっかりとトレーナーを確認し適切なトレーニングを提供してくれそうな方を選ぶようにしましょう。
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圧迫骨折の知識は勿論、骨折直後からご自宅で生活される方へのリハビリテーション経験があるトレーナーから安心・安全にパーソナルトレーニングを受けることができるでしょう。
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