【手根管症候群】症状と原因を徹底解説!効果的な予防法とトレーニングを理学療法士がアドバイス
皆さん、手がふとした際に痛むことや、手作業が増えたり、手を良く使った翌日や週などに手の痛みが出現する方はいませんか?
手の疾患は、関節リウマチ、腱鞘炎、ドゥ・ケルバン病、デュピュイトラン拘縮、ばね指等など多岐にわたり、原因や症状も様々です!
今回は手の疾患でも40.50歳代の女性に多く認められる手根管症候群について紹介します。
手根管症候群(Carpal Tunnel Syndrome)は、手首や手に痛みやしびれを引き起こす一般的な疾患です。このブログでは、手根管症候群の原因や症状、予防法、トレーニング方法について詳しく解説します。
手根管症候群とは?
手根管症候群(Carpal Tunnel Syndrome)は、手首を通る手根管と呼ばれる狭い通路内で正中神経が圧迫されることによって生じる症状群です。手根管症候群は、主に手や指に痛み、しびれ、筋力低下を引き起こします。特に親指、人差し指、中指に症状が現れやすく、夜間に悪化することが多いです。
手根管の解剖学的説明
手根管は、手首の内側に位置する狭い通路で、手のひら側にあります。この管は以下の構造で形成されています:
- 骨: 手根管の底と側面は、手根骨(手の8つの小さな骨)で構成されています。
- 屈筋支帯(Flexor Retinaculum): 手根管の上部を覆う強い結合組織で、この帯が手根管を締め付け、内部の構造を保持しています。
手根管内には以下の重要な構造が通っています:
- 正中神経(Median Nerve): 手根管を通る主要な神経で、親指、人差し指、中指、および薬指の一部に感覚を提供し、親指のいくつかの筋肉を支配しています。
- 屈筋腱(Flexor Tendons): 指と親指を曲げるための9本の腱が手根管を通ります。これらの腱は正中神経と共に手根管を通過します。
手根管が狭くなるか、内部の圧力が増加すると、正中神経が圧迫され、手根管症候群の症状が発生します。この圧迫の原因には、反復的な手首の動作、炎症、腱の腫れ、または手首の怪我などが含まれます。
主な原因
手根管症候群の主な原因として以下が挙げられます:
- 反復動作: キーボード入力や機械作業など、手首を頻繁に使う動作が原因となることが多いです。
- 遺伝: 手根管が狭い家系に属する人々に発症しやすい傾向があります。
- その他の要因: 妊娠、糖尿病、リウマチなどもリスクを高めます。
症状
手根管症候群の症状は徐々に進行します。以下は一般的な症状です:
- 手のしびれや痛み: 特に親指、人差し指、中指に多く見られます。
- 握力の低下: 日常の動作に支障をきたすことがあります。
- 夜間の痛み: 夜間に症状が悪化することが多いです。
以上のような症状が出た際には病院や整形外科クリニックを受診し、医師からの診察を受け原因や疾患を特定してもらい、適切な治療を受けましょう!
以下にどのように診断をなされるか、参考にまとめます。
診断方法
手根管症候群の診断には、以下のような方法が用いられます:
- 問診と身体検査: 医師が症状や生活習慣について質問し、手や手首を検査します。
- 神経伝導速度検査(NCS): 正中神経の電気信号の伝わり具合を測定します。
- 超音波検査: 手根管の構造を視覚的に確認します。
治療法
治療方法は手術療法と保存療法の2つに大別されます!手根管症候群の症状や圧迫の重症度や様々な要因を含め、医師が治療方法の提案がなされます。
一般的には痛みや痺れが強い場合と神経の絞扼や変性が高度な場合、そして、他の治療を行なっても効果が十分でない場合などに手術療法が適応されることが多いでしょう。
手術療法
手根管症候群の症状が重度で、保存療法による改善が見られない場合には、手術療法が検討されます。手根管開放術(Carpal Tunnel Release Surgery)は、その中でも最も一般的な手術法です。
手根管開放術の詳細
手根管開放術は、手根管を覆う屈筋支帯を切開して、正中神経への圧迫を解消する手術です。これにより、神経の圧迫が軽減され、症状の改善が期待できます。
手術後の回復には数週間から数ヶ月かかることがあります。以下は一般的な回復プロセスです:
- 痛みと腫れ: 術後数日から数週間は痛みや腫れが続くことがあります。冷却や痛み止めの薬を使用して対処します。
- 手の運動: 手や指の軽い運動を行い、硬直を防ぐことが推奨されます。
- リハビリ: 必要に応じて、理学療法士の指導の下でリハビリを行い、手の機能を回復させます。
保存療法
手根管症候群の初期段階では、保存療法によって症状の軽減を図ることができます。以下に、具体的な保存療法の方法とその効果について詳しく解説します。
生活習慣の見直し
手根管症候群の症状を悪化させないために、日常生活や仕事での手首の使い方を工夫することが重要です。
- 作業姿勢の改善: キーボードやマウスを使用する際は、手首をまっすぐに保つことが推奨されます。手首を過度に屈曲させないよう注意し、適切な高さと角度で作業環境を整えます。
- 適度な休憩: 長時間の作業や手首を酷使する作業の合間に定期的な休憩を取ることで、手首への負担を軽減します。休憩中に手首をストレッチすることも効果的です。
装具の使用
手首を安定させ、過度な動きを制限するために装具(スプリント)を使用することが効果的です。
- 手首サポーター: 手首を固定し、夜間の痛みを軽減するために使用されます。睡眠中に手首が屈曲するのを防ぎ、正中神経への圧迫を減らします。
- 作業用グローブ: 特定の作業中に手首を保護するためのグローブを使用することで、症状の悪化を防ぎます。
薬物療法
痛みや炎症を軽減するために、以下のような薬物療法が行われることがあります。
- 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs): イブプロフェンやナプロキセンなどのNSAIDsは、痛みや炎症を軽減するために使用されます。これにより、症状が一時的に緩和されます。
- ステロイド注射: 正中神経周囲にステロイドを注射することで、炎症を抑え、症状を改善することがあります。効果は一時的ですが、症状の重い場合に用いられます。
理学療法
専門の理学療法士による治療が、手根管症候群の症状を軽減するのに役立ちます。
- ストレッチとエクササイズ: 手首や指の柔軟性を高めるためのストレッチやエクササイズが推奨されます。これにより、神経への圧迫を軽減し、血流を改善します。
- マッサージ: 手首や前腕の筋肉をほぐすマッサージは、緊張を緩和し、症状の軽減に役立ちます。
- 超音波治療: 超音波を使用して深部の組織を刺激し、炎症を抑え、治癒を促進します。
手根管症候群の保存療法は、初期段階での症状管理に効果的です。症状が軽度であれば、これらの方法を組み合わせることで、症状を緩和し、手術を避けることができる場合があります。早期に対策を講じることで、生活の質を維持し、手や手首の健康を保つことが可能です。
専門的なパーソナルトレーニングによるサポート
手根管症候群の予防や症状の軽減には、適切なパーソナルトレーニングが非常に効果的です。香川県高松市でサービスを提供しているMedical Fitness PONOでは理学療法士がパーソナルトレーナーとして、サービス提供をしています。個々のニーズに合わせた運動プログラムを提供し、症状の改善や再発防止をサポートします。ここでは、具体的なサポート内容とトレーニングプログラムの例を紹介します。
柔軟性を高めるストレッチ
手根管症候群の予防や症状の軽減には、手首や前腕の柔軟性を保つことが非常に重要です。柔軟性が高まると、神経や腱の圧迫が減少し、症状の発生や悪化を防ぐことができます。
柔軟性の重要性
柔軟性は、筋肉や腱が適切に伸び縮みする能力を指します。手首や前腕の柔軟性を維持することは、手根管症候群の予防において以下のような利点があります:
- 神経の圧迫を軽減:
- 手首や前腕の筋肉や腱が柔軟であると、手根管内のスペースが確保されやすくなり、正中神経への圧迫が減少します。
- 血流の改善:
- 柔軟性の高い筋肉は血流が良く、酸素や栄養素が効果的に供給されるため、組織の回復が促進されます。
- 疲労の軽減:
- 柔軟な筋肉は疲労に対する耐性が高く、長時間の作業でも痛みや緊張が発生しにくくなります。
- ケガの予防:
- 筋肉や腱の柔軟性が高いと、急な動作や負荷にも対応しやすく、ケガのリスクが低減されます。
具体的なストレッチ方法
- 手首の屈曲ストレッチ:
- 手のひらを上に向けて腕を伸ばし、もう一方の手で指先を引っ張って手首を伸ばします。
- 30秒間保持し、反対側も同様に行います。
- これにより、手首の前側の筋肉が伸ばされ、柔軟性が向上します。
- 手首の伸展ストレッチ:
- 手のひらを下に向けて腕を伸ばし、もう一方の手で指先を押し下げて手首を伸ばします。
- 30秒間保持し、反対側も同様に行います。
- これにより、手首の後側の筋肉が伸ばされ、柔軟性が向上します。
筋力トレーニング
- 手首の屈曲と伸展: 手首の屈曲と伸展を行うための軽いダンベルや抵抗バンドを使用します。手首の強化は、正中神経への圧迫を軽減するのに役立ちます。
- 握力強化: グリップエクササイザーやストレスボールを使って握力を強化します。これにより、手の筋力が向上し、症状の予防につながります。
姿勢と動作の改善
- 正しい姿勢の指導: 作業中や日常生活での正しい姿勢を指導し、手首や肩にかかる負担を軽減します。正しい姿勢は、手根管症候群の予防に非常に重要です。
- 環境設定のアドバイス: キーボードやマウスの位置、椅子の高さ、モニターの配置など、作業環境のエルゴノミクスを改善するためのアドバイスを提供します。
筋力トレーニングの重要性
手根管症候群の予防や症状の軽減には、手首や前腕の筋力を強化することが非常に重要です。筋力トレーニングは、手首や手の動きを安定させ、過度の負担を減らす効果があります。この章では、筋力トレーニングの重要性と具体的なエクササイズ方法について解説します。
筋力トレーニングの重要性
- 安定性の向上:
- 手首や前腕の筋力を強化することで、手根管周囲の構造が安定し、正中神経への圧迫を軽減することができます。
- 負担の軽減:
- 強い筋肉は、日常生活や仕事での手首や手への負担を分散し、疲労を減少させます。
- 血流の促進:
- 筋力トレーニングにより血流が促進され、手首や前腕の組織に酸素と栄養が行き渡りやすくなります。
- 姿勢の改善:
- 手首や前腕の筋力強化は、全体的な姿勢改善にも寄与し、手根管症候群のリスクを減らすのに役立ちます。
具体的な筋力トレーニング方法
- 手首の屈曲と伸展エクササイズ:
- 手首の屈曲: 軽いダンベル(1〜2kg)を持ち、前腕を机の上に置き、手首をゆっくりと上下に動かします。10回を1セットとし、3セット行います。
- 手首の伸展: 軽いダンベルを持ち、前腕を机の上に置き、手の甲を上に向けて手首を上下に動かします。10回を1セットとし、3セット行います。
- 前腕の回旋エクササイズ:
- 前腕の回内: 軽いダンベルを持ち、前腕を水平にし、手のひらを上に向けます。手首を回して手のひらを下に向ける動作を繰り返します。10回を1セットとし、3セット行います。
- 前腕の回外: 軽いダンベルを持ち、前腕を水平にし、手のひらを下に向けます。手首を回して手のひらを上に向ける動作を繰り返します。10回を1セットとし、3セット行います。
- グリップ強化エクササイズ:
- ハンドグリップエクササイザー: ハンドグリップエクササイザーやストレスボールを使用して握力を鍛えます。1回に10秒間握り締め、リラックスする動作を繰り返します。10回を1セットとし、3セット行います。
- タオル絞り: タオルを巻いて、両手で絞る動作を行います。これを10回繰り返し、3セット行います。
- 指のエクササイズ:
- 指の屈曲: 手のひらを開き、指を1本ずつ屈曲させるエクササイズを行います。各指10回ずつ行います。
- 指の伸展: 手のひらを開き、指を1本ずつ伸ばすエクササイズを行います。各指10回ずつ行います。
筋力トレーニングのポイント
- 適切な負荷: 無理のない軽い負荷から始め、徐々に負荷を増やしていきます。
- フォームの確認: 正しいフォームでエクササイズを行い、無理な動作を避けます。
- 定期的な実施: 筋力トレーニングは週に3〜4回を目安に行い、継続することが重要です。
- 痛みの管理: エクササイズ中に痛みを感じた場合は、無理せず中止し、必要に応じて専門家に相談します。
まとめ
手根管症候群は、手首や手に痛みやしびれを引き起こす一般的な疾患です。予防と症状の軽減には、適切な柔軟性と筋力トレーニングが重要です。手首や前腕の柔軟性を高めることで神経の圧迫を軽減し、筋力を強化することで手首の安定性を向上させます。日常生活での正しい姿勢や休憩、環境の改善も症状の予防に役立ちます。パーソナルトレーナーの指導の下で、個別に最適化されたトレーニングプログラムを取り入れることで、手根管症候群のリスクを効果的に管理しましょう。
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