転倒予防のリハビリ・筋力トレーニング!中年期〜高齢者の転倒予防のススメ!
転倒は皆さんの生活で身近なイベントです!加齢と共に身体機能が衰えていく中で転倒を繰り返し、骨折や転倒後の恐怖による活動量や活動範囲の減少を招きます。
また、一度の転倒から転倒を繰り返す転倒症候群のような状態に陥ります。
一度の転倒から転倒→転倒恐怖(活動量低下)→筋力低下といったサイクルを繰り返し、再び転倒、いずれは骨折へ繋がり寝たきりや要介護状態へと至ります。転倒恐怖が生じる前や1回の転倒、月1度の転倒を繰り返す際に重症化する前に転倒予防を行うことが何より大切です!
この記事では転倒予防の重要性やリハビリ&筋力トレーニング、転倒予防を行うポイントを解説していきます!
転倒予防の基本的な考え方!
転倒予防に関して基本的な考え方は、リスクの特定と低減、環境の安全性向上、身体能力の強化に分けられます。以下に、それぞれの要点を詳しく説明します。
まずは基本的な考え方を学び、どの点を改善すれば良いかを理解し、ご自身やご家族の転倒を減らす術を見つけましょう!
リスクの特定と低減
転倒リスクは様々な要因により引き起こされます。なぜ転倒を繰り返すのか、転んでいるシチュエーションは何かなど、転倒へと至る原因をしっかりと把握しましょう!そのため、分かりやすく転倒要因を大きく3つに分類し、転倒についての理解を深めていきます!
転倒リスクは①外的要因②内的要因③行動要因の3つの要因に分けられます!
①外的要因
外的要因は文字通り、個人の問題ではなく環境による影響です。例えば凍った道や水で濡れた床など滑りやすい場所では転倒のリスクが高まることは容易に想像がつくでしょう。同じように自宅での転倒が多い方でも転びやすい環境になっているかもしれません!
物的環境が転倒の要因となるわけですが、下記が具体的な外的要因として考察されています!
- 室内の段差(敷居1〜2cm)
- 滑りやすい床
- 履き物(スリッパやサンダル)
- つまずきやすい敷物(カーペット等)
- 電気器具やコード類
- 照明不良
- 戸口の踏段
- 不慣れな環境
- 不慣れな場所での障害物
これらの外的要因を排除することや修正することが転倒リスクの低減につながります。転倒を繰り返す場合や定期的に転ぶ方は、原因を特定するために「どのような場所」「どのような日時」「どのようにして転倒を繰り返しているのか」考えてみましょう!
場所であれば、そこに転びやすい条件があるはずです!物的環境を注意深く確認してみましょう。
日時であれば、明るさや日時によって何か変化がある物的環境が好ましくないのかもしれません。
どのようにして転倒しているのかが、分かればより詳細な物的環境の問題点に気づくことができるかもしれません。例えば、毎回前に転ぶのであれば、何かにつまづいているのか知れません!毎回、左に転ぶのであれば身体的な特徴もあるかも知れないですが、左に注意が向きやすい環境や何かバランスを崩しやすい原因が潜んでいるでしょう。
外的要因をしっかりと整理し、転倒の要因を減らしてみましょう!
②内的要因
内的要因は個人の身体的な問題による転倒リスクになります!
内的要因は、「加齢変化」、「身体的疾患」、「薬物」の3つの要因に分けられます!
それぞれの要因が転倒リスクを高めているかどうか、専門家の意見や分析が必要になるでしょう!薬を処方している方は立ちくらみ症状や眩暈、朦朧とした意識など転倒に関連する状態に陥る場合は医師に相談しましょう。薬が要因となる場合もあります!
加齢変化や身体的疾患に関して、理学療法士等の身体機能、生活動作の分析や転倒予防に携わる専門家の評価が必要になるかも知れません。
下記にそれぞれの内的要因について解説していきます!
加齢変化
- 最大筋力低下
- 筋の持続力低下
- 運動速度の低下
- 反応時間の延長
- 巧緻性低下
- 姿勢反射の低下
- 深部感覚低下
- 平行機能低下
になるでしょう!
これらは加齢と共に変化をきたし、能力が低下していく項目です!しかし、運動習慣や生活習慣、食生活等も合わさり予防することや大幅な能力低下を防ぐことができるでしょう。そのため、低下した機能を他の機能で補うことやトレーニングや運動習慣をつけること生活習慣を修正することで鍛える、回復させることが重要です!
身体的疾患
- 循環器系
- 神経系
- 筋骨格系
- 視覚- 認知系
で大別されます!あくまでも系なのでそれぞれの系統に具体的な疾患が存在します!
疾患の病態理解が必要であり、理学療法士や作業療法士のリハビリテーションによる転倒予防のプログラムを受けることが必要になるでしょう!また、リハビリテーションを受けない場合でも主治医から転倒予防や疾患による転倒リスクについて説明を受けることも大切になります!
①と②は直接的な歩行能力の低下を呈し転倒へと繋がります!
加齢変化により低下した身体機能の把握と身体的疾患の特徴を加味し、個人特性を踏まえたパーソナルなトレーニングによる身体機能の向上や転倒予防を行うことが必要でしょう!
薬物
- 睡眠薬、抗精神薬、抗不安薬
- 降圧利尿薬、その他の降圧薬
- 血管拡張薬
- 非ステロイド性炎症鎮痛薬
- 強心薬などの心疾患治療薬
- 抗パーキンソン病薬
- 鉄剤
等の薬物の効能や副作用により転倒リスクを高める場合があります。
例えば、睡眠薬が効き過ぎた場合など、覚醒が低下し、ふらつきやバランス低下が生じるはずです。降圧剤では立ちくらみが生じるなどにより転倒リスクが高まる場合があるかも知れません。重要なことは最適な薬の選択や用法を守ることになるでしょう。薬を処方してくれる主治医としっかりと現状を報告と相談を行い薬が原因での転倒が予想される場合には調整を行いましょう!
③行動要因
行動要因は本人の意思により起きるものと言えます。外的要因や内的要因が多くても全く動かない状態であれば、転倒することはないはずです!
行動要因は特に転倒リスクが高い場合や介助者が存在する場合に要因となります。「できるだろう」「転ばないであろう」といった希望的観測に基づく行動と実際のギャップにより転倒リスクが高まります。つまり転倒リスクが高い行動を選択してしまう抑制できない場合など行動要因が影響するでしょう。
「トイレに行きたい」など欲求に基づいた行動が。リスクを予期できていない場合に転倒リスクへと繋がるのです!
転倒リスクを軽減するために行うべきことは?
転倒について様々な研究が行われており、どうすれば転倒を予防できるか防げるのか手立てが試行錯誤されています!
まず、転倒リスクを低減するためにおこないべきことは筋力低下の予防と改善が必要といえます。上述した要因がそれぞれ影響し、個別の転倒リスクが生まれますので誰でも筋力を改善すれば転倒リスクが低減するとは言い切れませんが、Rubenstein.2001の研究では筋力低下が最も転倒リスクを高くなると報告されています。なんと筋力低下がある人は、ない人と比較し転倒リスクが4.4倍まで上昇します!
そのため、転倒を予防するためにまずは簡単に実践できる筋力低下を改善することから始めましょう。
転倒リスク低減のためには運動や筋力トレーニングが重要です!
転倒予防のための運動エビデンス
転倒予防を行うために運動習慣や筋力強化は有効であることが明らかになっています!
ではどのような運動内容が効果的であるのか、Exercise for preventing falls in older people living in the community 2019を参考に要約し解説します!
地域で生活している人(退院して間もない人を除く)を対象に、運動(種類を問わず)と、転倒を減らすことがないと思われる介入を比較すると、運動によって経時的に転倒の回数が約 4 分の 1 減少することがわかっています(23%の低下)。
運動により1 回以上転倒経験がある人数(転倒者数)が約 6 分の 1 減少(15%低下)する結果が出ています!
運動の内容としてはバランストレーニングやファンクショナルトレーニング(姿勢等を意識し自分の体のコントロールや動きを良くするためのトレーニング)を主とした運動が転倒を減少させます!
反対に主として筋力トレーニング単体やダンス、ウォーキング等は効果を明らかにできるほど十分なエビデンスはないようです!
理学療法士が推薦する転倒予防運動
科学的な根拠を示すために様々な運動内容が調査されていますが、絶対的にこの運動が良いというものは示されていません。
そのため、転倒を予防するために様々な運動内容が考案されています!
自宅で一人で出来るという条件の下、おすすめの運動をご紹介したいと思います!
しかし、1週間に一度の転倒や月に頻回に転倒を繰り返している方は運動自体での転倒リスクが高いため、一人で行うのはおすすめしませんので注意してください。
階段や段差を使って行うステップ練習
ご自宅の上り框や階段などを活用して行う下肢の筋力トレーニングとバランス練習を兼ねた運動になります!
①手すりや何かに手を添えながら、段差に足を乗せるように足を上げます!
②元の位置に戻す
簡単に実践できるトレーニングになります!
ポイントは姿勢になるでしょう!しっかりと胸を起こし、背筋を伸ばし、頭を下げずにステップしましょう!ステップの際には、足以外は安定させ動かないイメージで行いましょう!
30回を1セットとして、左右3セット程度、実践してみましょう!
椅子からの立ち上がり運動
簡単な運動ですが、下肢の筋力を強化するために有効的です!
立ち上がり運動も胸を起こし、背筋を伸ばしながら行いましょう。余裕がある方は胸の前で手を組み足の力だけで立てるようにトレーニングを行いましょう。また、立ち上がる際には立ちきることも大切です!膝が伸び切る位置までしっかりと立ち上がりましょう。
テレビのCMの合間などに行い、10回を1セットとして1日に3セット程度行いましょう。
片足立位バランス
片足立位は片足立ちのことです。バランスが安定しない方は手すりを持ちながら行いましょう!
このトレーニングも姿勢がポイントです!
膝、腰をしっかりと伸ばすこと、胸や頭も下がらないように前を見ながら行いましょう。
おおよそ30秒を1セットとして、1日3セット行いましょう。
あなたは転倒しやすい?転倒リスクセルフチェック!
ここでは理学療法士協会が作成している理学療法ハンドブックシリーズ18を参考にご自分でできる転倒リスク評価をお伝えします。
Q1.まずは質問で分かる転倒リスク評価!
1.過去1年間で転んだことがある。 はい(5点)or いいえ(0点)
2.歩く速度が遅くなったと思う。 はい(5点)or いいえ(0点)
3.杖を使っている。 はい(5点)or いいえ(0点)
4.背中が丸くなってきた。 はい(2点)or いいえ(0点)
5.毎日お薬を5種類以上飲んでいる。はい(2点)or いいえ(0点)
◉合計点が6点以上になると転倒しやすい状態と考えられます。
Q2.椅子からの立ち上がりで足の機能をチェック!
椅子に座り立ち座りの動作を5回繰り返します。12秒以内で完了できれば足の機能が保たれています。
ご自身で転倒リスクが高い方に当てはまる方は要注意です。早期に転倒予防が必要になるでしょう。
パーソナルトレーニングを活用し、身体の機能低下や筋力強化を目指しましょう。
パーソナルトレーニングとは?
パーソナルトレーニングは、個々の健康状態や目的に合わせた運動の指導を行うものです。特に高齢者にとっては、筋力を維持し、体のバランスを改善し、日常生活の質を高めるために役立ちます。
個人の身体状態を十分に観察し、目標を叶えるためのトレーニングプログラムを提供してくれます!個々の身体や健康状態に合わせた内容になっていますので、安心・安全に効果的なトレーニングを受けられます。
パーソナルトレーナーを吟味しよう!
パーソナルトレーナーは技術や経験、知識があれば、パーソナルトレーナーと名乗ることが可能です。有資格者もあれば、無資格者もいますし、有資格者でも知識に偏りはありますし、無資格者でも知識が豊富なトレーナーもいます。
まずは、身体のリスクをしっかりと理解できるのか、疾患や怪我などの知識をしっかりとパーソナルトレーナーが持っているか確認しましょう!
パーソナルトレーニングでの怪我も年々増加傾向です。そのため、パーソナルトレーナー選びが重要となるでしょう。
医学的な知識が豊富なパーソナルトレーニング
香川県高松市でパーソナルトレーニングを提供しているMedical Fitness PONOは医師が監修したパーソナルトレーニングサービスです!
Medical Fitness PONOのパーソナルトレーナーは医学系の国家資格を有した理学療法士です。疾患や怪我後の方へのリハビリテーションの経験や知識も豊富で安心・安全効果的にトレーニングを受けることが可能です。
退院後の体力低下や筋力低下は勿論、「最近、フラつく」、「転ぶことが増えてきた」、「転倒が怖い」といった悩みや不安への対応いたします。
まずは無料体験から身体の状態確認やトレーニングを体験してみましょう!
3ヶ月で変わる身体を実感することができるでしょう。